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達人紹介コーナー
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映画を見るにしろ、ジャズを聴くにしろ、色々な楽しみ方がありますが、私は私なりの楽しみ方を持っています。
映画でも、ジャズでも、まず作られた時の時代背景から始めます。
映画ならCasablanca(1942年作)という後世に残る名画をご存知ですね。第2次世界大戦中ナチス独逸占領下のフランス領モロッコで、酒場を経営するHumphrey Bogartを頼ってパリから逃れてきた昔の恋人Ingrid Bergmanと彼女の主人で反ナチス指導者であるPaul Henreidを匿ってアメリカへ亡命する手助けをするという物語ですが、1941年12月日本の真珠湾攻撃でアメリカも日本とドイツに対し宣戦布告していて、その時期にこの映画を見たとすればどんな気持ちで観客がこの映画を見たかと考えただけでもスリル満点ですね。
当時のフランスはドイツの占領下にあり、ドイツに協力するヴィシー政権がフランス本国は勿論、海外のフランス植民地も支配していたので、カサブランの警察官を演じるClaude Rainsはドイツに反感を持ちながらドイツ軍の命令に従わざるを得ない複雑な立場を良く演じているのが良く分かります。
また、Humphrey Bogartが経営する酒場でピアノを弾くDooley Wilsonの歌うAs Time Goes By(時の過ぎ行くままに)の曲は今でもアメリカや日本で演奏される曲です。
勿論これは後で加えられた話でしょうが、Paul Henreid演ずる反ナチス組織のリーダーはフランスの香水で有名なマダム・ミツコの息子からヒントを得て作られた物語という説があることも付け加えさせて頂きます。(マダム・ミツコの息子は実在のフランスの反ナチス組織のリーダーで実際にアメリカに亡命したというのは有名な話です)
もう一つ1961年作のBreakfast At Tiffany's(ティファニーで朝食を)をご紹介したいと思います。
この映画はニューヨークを舞台にした物語で、田舎から飛び出してきたAndrey Hepburnが男たちに貢いでもらったお金で東マンハッタンのアパート暮らしをしている所に、Patric Nealの若いつばめの男性George Peppardと恋に落ちるというたわいない物語だが、マンハッタンの雰囲気が良く出ているストーリーに、Henry Mancini作の名曲Moon Riverが流れて1961年度の劇映画音楽賞と歌曲賞を受賞した作品である。当時はお高く留まっていて日本人客を入れなかった宝石店Tiffanyが菓子箱の中の景品に名前を彫ってくれるというエピソードもほのぼのとした物語です。生き馬の目を抜くという程厳しい世界のビジネス中心街マンハッタンにもこのような人情があるからこそニューヨーク子はマンハッタンを離れる事ができない訳がよく分かるような気がします。
アメリカ映画の楽しさはこのような危険と厳しさの中にも、恋と人情があればこそ、いつまでも忘れることができないし、テーマ音楽もいつまでも忘れられずに歌いつづけれるのです。
アメリカ映画と音楽は切っても切れない関係にあるのだから、そのつもりで、アメリカ映画を見ながらジャズを楽しもうではありませんか。 |
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