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トップ>達人紹介コーナー>お酒>第4回 です。

達人紹介コーナー


◇春の息吹が感じられる頃。
街を歩くと、ほんのりと春の薫りがしてきます。
時には冷え込む日もありますが、いろいろなお酒を楽しむにもいい季節です。
そこで今宵の一献は純米酒、じっくり楽しむとしましょう。
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◇純米酒の基準が変わった?
以前、このコラムにも掲載しましたが、
純米酒とは、米と米麹を原料として、精米歩合が70%以下の酒、と規定されていました。
ところが、今年の1月1日から施行された「清酒の製法品質表示基準」によると、純米酒の基準が改定されて、次のように変わりました。

今まで、精米歩合70%以下と規定されていた要件がなくなり、精米歩合が71%以上であっても、米と米麹だけを原料とした酒であれば、純米酒と表示できることになりました。
ただし特定名称を表示する場合は、精米歩合の表記とこうじ米の使用比率(最低15%以上)の表記も義務付けられましたので、今後、純米酒と表示されたものには、精米歩合も書かれていることになります。
また、純米酒には該当しないけれど、米だけで造った酒(なんだか、わかりにくいですね)は、たとえば「米だけの酒・純米酒ではありません」などと表記することになっています。
(※純米酒については平成16年3月31日、その他については平成16年6月30日までの間は、これまでの表示基準を適用しても良いこととなっています。)

今回のコラムの最後に、新しい特定名称の内容を載せておきます。

国税庁の告示を読むと、なにやら難しいことが書かれていて、飲み手としては、どうもわかりにくい、ピンとこない表記になるのかも知れませんが、決して参考にならないということはありません。
せっかく、たくさんの日本酒があるのですから、新しいラベル表記を参考にしながら、自分でいろいろと味わうことで、美味しい酒蔵や銘柄を見つけていきたいもの。
そんな発見の面白さも、日本酒にはまだまだ隠れています。
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◇日本の酒、純米酒。
世界各国には、その国ならではの酒があります。
それは、その国で収穫される作物に由来していると言っても良いでしょう。
フランスやイタリアならブドウから造るワイン、ドイツやベルギーなら麦から造るビール、そして、日本であれば米から造られる酒。
その米と米麹だけで醸し出した日本酒、それが純米酒です。
法的な基準は変わりましたが、純米酒の魅力は、米に由来する旨みや香り、コクのある味わい、飲み応えのある酒質などにあり、まさに米あってこその酒なのです。
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◇酒造りの米。
たとえばワインでは、ブドウの出来がワインの質を左右します。
それは日本酒でも同じこと。旨い日本酒を造るためには、まず良い米が必要です。
日本酒の香味、アルコール、アミノ酸などは、原料となる米に由来しています。
ちょっと復習になりますが、酒造りに適した米はこんな特徴を持っていましたね。
・大粒、軟質である。
・吸水性がよい。
・デンプンが豊富である。
・蛋白質が少ない。
酒造好適米と言われる、こうした「酒米」は山田錦、五百万石、美山錦、雄町などといった銘柄を代表格として、およそ数十種類が育てられています。
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◇日本酒造りの長、杜氏。
杜氏とは、その経験と知恵、知識を活かし、酒造りのすべてを取り仕切る責任者です。
酒造りを進める上での管理力や統率力なども求められるプロフェッショナルです。

杜氏の語源にはいろいろな説があります。
いわく、中国の酒の神を「杜康(とこう)」といい、転じて「杜氏」となったという説、また、「頭司」「陶師」「藤次」が杜氏の語源であるなどの説がありますが、古来、女性の尊称である「刀自(とじ)」説が一般的なようです。
刀自とは、家事を取り仕切る女性のことであり、奈良時代の造酒司(みきのつかさ、さけのつかさ)という役所では、酒造りは女性の役目だったということですから、「刀自」説には、なにか納得させられるものがあります。

さて、杜氏にはいろいろな流派があります。
江戸時代の中頃、酒造りは冬だけに行われるようになり、冬場に仕事のない農民が、いわば酒蔵に出稼ぎをして酒造りを行っていました。
秋の収穫が終わってから、翌年の春まで酒造りの仕事をすることから、「百日働き」などと言われていたそうです。

杜氏は、酒造りにたずさわる蔵人を集め、自らの流儀で酒造りをします。
出身地の名前を冠にして、南部杜氏、丹波流などと称され、「酒屋万流」と言われるほど、それぞれに特徴のある酒造りが生まれたのです。

代表的な杜氏には、
・津軽杜氏(青森) ・山内杜氏(秋田) ・南部杜氏(岩手) ・越後杜氏(新潟)
・能登杜氏(石川) ・諏訪杜氏(長野) ・丹後杜氏(京都) ・備中杜氏(岡山)
・丹波杜氏(兵庫) ・但馬杜氏(兵庫) ・広島杜氏(広島) ・出雲杜氏(島根)
・大津杜氏(山口) ・土佐杜氏(高知) ・越智杜氏(愛媛) ・柳川杜氏(福岡)
などがあり、特に南部杜氏、越後杜氏、丹波杜氏を三大杜氏と呼んでいます。
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◇日本酒と器の楽しみ。
一般的に、お酒は室温になじむこと、そして空気と触れることで香りが開き、味わいもまろやかになっていきます。
こういった表情の変化が楽しめることも、お酒の面白さの一つなのです。

ワインであれば、やや大ぶりのグラスのなかでワインをクルクルと廻したりします。
ボルドータイプとブルゴーニュタイプなど、それぞれに個性的なグラスの形もあります。
シャンパーニュのフルートグラスもありましたね。
日本酒を楽しむ器の場合、ごく一般的なことですが、ぐい呑みの口縁の厚みや大きさなどが、自分の口になじむものを選ぶと良いと言われます。
日本全国には、それこそ酒蔵と同じようにさまざまな窯場があり、多くの陶磁器があります。
ざっくりとした陶器や、キリリとした磁器など、本当に多くの酒器に出会えます。
そんな酒器と純米酒の組み合わせを探す楽しみも捨てがたいものです。

繊細な色絵の磁器や切子の盃も良いものですが、今宵の純米酒を楽しむには、備前や信楽などの土の風情がある酒器が似合います。
大胆な酒器、素朴な酒器、手触りの温もり、陶器の味わいは使い込むほどに深みを増します。
せっかくですから、ぐい呑みだけではなく片口や徳利といった注器も揃えたいものです。
好みの酒器に酒を注ぐことから、もう今宵の楽しみは始まっています。
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◇純米酒をかたわらに。
サラリとした香り高い吟醸酒などは、食前酒にも向きますが、本来、日本酒は食中のお酒、まさに料理とともに楽しむお酒なのです。
旨い肴と味わう日本酒は、一人の時も大勢でいる時もより楽しい時間を作ってくれます。

純米酒のコクや味わいの深みを堪能するには、しっかりとした味付けの料理がおすすめです。
コクのあるもの、やや味の濃いもの、揚げ物、煮物、漬物といろいろ楽しみたいですね。
純米酒は米から造ったお酒なのです。言ってみれば、ご飯にあう料理があわない訳がありません。
相性のヒントとなるイメージとしては、色あいを考えてみるとわかりやすいかも知れません。
軽やかなタイプのお酒であれば、淡いイメージを考え、たとえば白身魚や湯豆腐、酢の物など。
コクのあるタイプであれば、暖かい色のイメージ、蒲焼や煮物、照焼きなど、そして塩辛などの、いわゆる酒の肴にはもちろんピッタリです。

また、旅に出ると地方のお酒がその土地の料理に一番あうのがわかります。
そんな取り合わせの一つ一つが発見であり、次の楽しみのヒントになります。
ゆるりと楽しむ純米酒は、心を豊かにしてくれますね。

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◇終りに、改定された特定名称の分類です。
※この色の部分が変更・新設されたところです。

※以下の特定名称を表示する場合は、精米歩合の表記も必要となります。
純米大吟醸酒 大吟醸酒 純米吟醸酒 吟醸酒
使用原料 米・米麹 米・米麹・醸造アルコール 米・米麹 米・米麹・醸造アルコール
精米歩合 50%以下 50%以下 60%以下 60%以下
アルコール添加 なし 白米重量の10%以下 なし 白米重量の10%以下
(新設)こうじ米使用割合 15%以上 15%以上 15%以上 15%以上
備考 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好である。 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好である。 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好である。 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好である。
純米酒 特別純米酒 本醸造酒 特別本醸造酒
使用原料 米・米麹 米・米麹 米・米麹・醸造アルコール 米・米麹・醸造アルコール
精米歩合 ・・・・・ 60%以下 70%以下 60%以下
アルコール添加 なし なし 白米重量の10%以下 白米重量の10%以下
(新設)こうじ米使用割合 15%以上 15%以上 15%以上 15%以上
備考 香味、色沢が良好である。 香味、色沢が特に良好である。
特別な製造方法で製造したものは製造方法の説明表示がされたもの。
香味、色沢が良好である。 香味、色沢が特に良好である。
特別な製造方法で製造したものは製造方法の説明表示がされたもの。

次回は「珠玉の赤ワイン」、春の門出は赤ワインで乾杯といきましょう!
     

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