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トップ>達人紹介コーナー>お酒>第7回 です。

達人紹介コーナー


◇焼酎ブームはまだ続く?
このところ本格焼酎ブームと云われ、さまざまな焼酎が人気を呼んでいますね。
麦焼酎、芋焼酎、そば焼酎など、たくさんの焼酎を楽しめる機会が増えています。
焼酎も日本を代表するお酒です。一時のブームではなく長く楽しみたいですね。

◇本格焼酎とは?
焼酎には、甲類と乙類という分類があります。これは酒税法上の分類ですが、それぞれについて簡単に説明してみましょう。

まず、甲類焼酎です。
大きな特徴は連続式蒸留器で蒸留を行なっていることです。ウイスキーやウオッカなどと同じ蒸留酒の基本ですが、原料を糖化し発酵、そこで生まれるモロミを蒸留して高アルコールの酒を得るわけです。
甲類焼酎は、複数の蒸留器を使って連続的に蒸留することによって、アルコール度数96%ほどの高アルコール度数の原酒を得て、これに加水してアルコール度数を36%未満の焼酎にしたものです。
甲類焼酎は、無色透明でクセのない味わいが特徴です。クセのない味わいであることは、酎ハイやサワー、カクテル、果実酒のベースなど、幅の広い楽しみ方ができますね。

一方、本格焼酎と称される乙類焼酎。
一回ごとにモロミを蒸留する単式蒸留器で蒸留し、アルコール度数は45%以下とされています。乙類焼酎はシンプルな蒸留をすることによって、アルコール以外のさまざまな香味成分が含まれることになります。これは原料の持つ独特の風味があり、さまざまな個性を楽しめるということです。本格焼酎と呼ばれる一つの特徴でしょう。
ジュースなどで割るよりも、オンザロックやお湯割りで焼酎本来の旨みを味わいたいですね。

◇焼酎ができあがるまで
ウイスキーやブランディ、ウオッカなどと同じ蒸留酒である焼酎。
その製造過程を簡単に説明すると・・・。

1)麹原料
 米(または大麦など)を洗ってから水に浸し、その後に蒸します。

2)製麹 (せいきく)
 麹原料に麹菌を混ぜ合わせて、40℃前後の温度でおよそ二日間ほどかけ麹を造ります。

3)一次仕込み
 水に麹と焼酎酵母を加えて、25℃〜30℃ほどの温度でおよそ七日間、
 発酵に必要な酵母を増殖させた「一次モロミ」を造ります。

4)二次仕込み
 一次モロミに主原料と水を加えて、25℃〜30℃ほどの温度でおよそ8日〜10日間発酵、
 二次モロミが出来あがります。
 ここで仕込む主原料が芋であれば「芋焼酎」に、米であれば「米焼酎」になるわけです。

5)蒸留
 二次モロミを蒸留器に入れて蒸留します。
 水蒸気または直火で沸騰させて、立ち上る蒸気を冷却し原酒ができあがるのです。

6)熟成
 原酒をタンクまたは甕などに入れて貯蔵・熟成させます。
 芳醇な香りやまろみが生まれます。

7)加水
 規定のアルコール度数になるように加水します。
 もちろん良質の水であることが求められますね。

8)瓶詰め
 瓶詰めされて出荷です。さまざまな個性の焼酎を楽しみましょう!

◇三つの麹と二つの蒸留
最近は数多くの焼酎と出会う機会が増え、それに伴って少々専門的な単語も目にします。
そのなかに麹の種類と蒸留方法のちがいがあります。

日本酒だけではなく、焼酎づくりでも大切なのが「麹」です。
麹菌は原料に含まれているデンプン質を糖分に変えて、アルコール発酵の手助けとなります。この麹と主原料の組み合わせで、同じ主原料であっても風味のバリエーションが生まれます。主原料が同じ麦焼酎であっても、麹が「麦麹」と「米麹」では風味が異なります。比較的さっぱりした風味の麦麹、甘みを感じる米麹と云えるでしょう。
また「黒麹」や「白麹」の違いも味わいに関わってきます。

・黒麹
黒麹は、コクや力強さ、ふくよかさなど豊かな味わいの焼酎を生むと云われます。
沖縄の泡盛は黒麹を使っていますね。
そもそもは焼酎の仕込みには欠かせない麹といわれ、黄麹に比べると、腐敗しにくいために重宝されたそうですが、扱いが難しく、また仕込むと黒い胞子をまき散らすため、仕込み後には蔵の中すべてを掃除しなければならないなど、一時期はあまり使われていなかったようですが、今また独特の風味が見直されています。

・白麹
黒麹の突然変異によって生まれた、焼酎麹の主流です。
おだやかでまろやか、ソフトな味わいに仕上がると云われます。黒麹と比べて扱いやすく、仕上がった焼酎の味わいもマイルド、日本人好みの味わいであることから広く普及し、主流となっている麹です。

・黄麹
日本酒には欠かせない黄麹、麹の色が黄色がかっているためにこう呼ばれます。
元々は本格焼酎も日本酒と同じように黄麹を使っていましたが、黄麹は温度管理が難しく、温暖な気候の地では管理に不備があるとモロミが腐敗してしまうこともあり、腐敗しにくい黒麹が使われるようになったのです。
黄麹で仕込んだ焼酎は、華やかな香り、きれいな味わいを持つと言われていますので、どこかで見つけたら、ぜひ試してみたいものです。

また、本格焼酎では蒸留方法にも二つの方法があります。
一つは常圧蒸留、もう一つは減圧蒸留です。

常圧蒸留とは、文字通り通常の気圧下での蒸留です。
普通にお湯を沸かすような方法で蒸留をしますが、この方法によってモロミの成分が充分に引き出され、原料の個性が豊かな焼酎となります。また、長期熟成に向くとも云われています。
一般的には、芋焼酎や黒糖焼酎、泡盛などは常圧蒸留が主流です。

一方、減圧蒸留とは真空ポンプで蒸留器内部の圧力を下げて蒸留するものです。気圧が下がることで、常圧蒸留に比較してモロミは低い温度で蒸留されますこの方法では、軽やかな香りのやわらかい風味の焼酎が得られます。
米焼酎、麦焼酎、そば焼酎などは減圧蒸留が主流と云えます。

 蕎麦
◇旨い!本格焼酎のいろいろ
最近は芋焼酎がよく飲まれているようですが、
ほかにはどのような焼酎があるのでしょう。

・芋(さつまいも)は甘みやコクが旨い。
最近のブームで原料不足も指摘されていますが、最も注目されていると云ってもいいでしょう。
代表的な品種は「黄金千貫(コガネセンガン)」、ほとんどの芋焼酎に使われています。
他には「ジョイホワイト」「ベニアズマ」「ムラサキマサリ」などがあります。

・米はまろやかな旨み。
麹も二次仕込みの主原料も米で造られる米焼酎。
本来は米由来の旨みやまろみ、芳醇さが特徴と云えますが、ライトなタイプも登場しています。
日本酒同様に原料米にこだわる蔵も増え、酒造好適米が使われることも多くなっているようです。

・麦の香ばしさ、軽やかさ。
原料として使われるのは主に大麦です。小麦やライ麦はほとんど使われていません。ウイスキーと同じく、大粒の二条大麦が主に使われています。
同じ麦焼酎でも、米麹を使うとほんのりとした甘さが、麦麹を使うと軽やかな味わいがあります。

・黒糖は奄美の特産。
糖度の高いサトウキビを原料に黒糖が得られます。
黒糖はその品質や糖度によって格付けがありますが、焼酎には、最上級の特等や次の1等が主に使用されていますし、米麹を使用することも義務付けられています。この黒糖焼酎は奄美の特産物であり、奄美諸島のみで製造が許可されています。
黒糖の素朴な風味と米麹とのハーモニーはまろやかな風味を醸しだしています。

・そばのコクと飲みやすさ。
焼酎の主原料としてのそばには、粒を粗く砕いたものが使用されているそうです。
そば特有の香りと軽やかな飲みやすさで、さらっとした風味が楽しめます。

これらのほかにも、ゴマやシソを使った焼酎もありますね。
風味豊かな本格焼酎には、まだまだ旨さが隠れていそうです。




薩摩芋





◇本格焼酎のふるさと、九州
多くの本格焼酎が生まれている九州。
ところで、その九州でも各県ではどのような特色があるのでしょう?
少々おおまかではありますが、こんなことが云えるのでは?

福岡は、いわゆる粕取焼酎の産地として有数だったそうですが、現在では麦焼酎をはじめ、ほとんどの焼酎が造られているようです。
特にゴマ焼酎は福岡ならではと云えそうです。

佐賀は佐賀平野という穀倉地帯があり、米や麦などの焼酎原料も豊富です。
九州では日本酒の消費量が多い県のため、日本酒のイメージが強いようですが、良質な焼酎も多く生まれています。

長崎も日本酒が主流といわれますが、壱岐は麦焼酎発祥の地といわれる名産地です。
長崎の焼酎生産高のおよそ90%ほどを造り出しているほどで、しっかりした個性を表している、麦焼酎の代表と云えるでしょう。

大分も麦焼酎の名産地です。
歴史としてはそうそう古くはないようですが、麦焼酎といえば壱岐か大分か、と云ってもよいのではないでしょうか

熊本といえば球磨焼酎。
米どころといわれる球磨焼酎の産地、球磨郡や人吉市。名水の地でもあり、本格米焼酎の産地として数多くの銘酒が生まれています。

宮崎の焼酎は、地域によってさまざまです。
南部の芋焼酎、中央部の芋焼酎や米焼酎、また西部の米焼酎や北部のそば焼酎や麦焼酎など。ただ芋焼酎の生産量としては鹿児島に次いでいるので、まずは芋焼酎の名産地と云ってもよいでしょう。

鹿児島はなんといっても芋焼酎です。
原料の芋が育成しやすい環境があり、焼酎発祥の地でもあり、歴史からも消費量からも、そして銘酒の数々から云っても焼酎大国ですね。

そして沖縄の泡盛。
泡盛菌という沖縄の黒麹を使い、また仕込みを1回しか行わない「全麹仕込み」によって沖縄で造られるものだけを泡盛と呼びます。
歴史は古く、15世紀頃には今の泡盛の原型としての国産化も始まっていたそうです。
最近は、クースーと言われる3年以上熟成させた古酒も人気です。


◇焼酎、大いなる愉しみ

焼酎はいろいろな飲み方で楽しめるお酒です。
いつもの飲み方を少し変えてみると、またちがった旨さを発見できるかもしれません。

・ストレート
個性的な本格焼酎は、まずはそのまま味わってみたいものです。
ゆっくりと、じっくりと焼酎の香りや味わいを楽しみましょう。
少々アルコールが強いので、一度にグイグイと飲まずに少しずつで。

・オンザロック
まず氷を入れてから焼酎を注ぎましょう。
少し氷が溶けて、焼酎と混ざり合う頃合いが一番。
キリッと冷えた爽快感と、じんわりしみ込む旨さが堪能できます。
グラスもよく冷やしておくと良いでしょう。

・お湯割り
本場、南九州方面ではお湯を先に注ぎ、後から焼酎を入れるのが一般的だそうです。
温かいお湯を先に注いでおくことで、後から注がれる焼酎がよく混ざり合うのです。
また、お湯割りのお湯は熱すぎないようにしましょう。
好みによりますが、いわゆる「ロクヨン」といわれる焼酎6:お湯4の割合が一番、特に芋焼酎は香りもよく立ち上がり、ますます美味しくなります。

・水割り
お湯割りとは逆に、グラスには焼酎を先に注いでおきます。
先に常温の焼酎があることで、水と焼酎がじっくり混ざり合います。
もちろん、プレーンな味わいのミネラルウオーターが欲しいところです。
香りと風味を感じながら、よりマイルドな味わいを楽しみましょう。

・黒ヂョカの楽しみ
主に薩摩で使われている、焼酎の燗をするための専用酒器が黒ヂョカです。
あらかじめ焼酎に割り水をしておき、黒ヂョカに入れ一日なじませておきます。
かつては囲炉裏で温めたそうですが、そのまま湯煎などして焼酎を楽しみます。
焼酎独特の、風情のある楽しみ方ですね。

◇今宵、肴もまた嬉し
焼酎には数多くのタイプがあり、またいろいろな飲み方もできます。
これは肴を選ばない食中酒としては、とても嬉しいものです。
ゴーヤチャンプルーやラフテー、宮崎地鶏や鹿児島の薩摩揚げなど、九州沖縄の代表的な郷土料理はもちろん、焼酎や飲み方のタイプに合わせて、いろいろと楽しんでしまいましょう。

焼酎の持つ風味は、肉類独特の生臭さや脂分のしつこさを流してくれます。濃厚な味わいにも、本格焼酎の風味は負けません。もちろん軽めの焼酎であれば、刺身や漬物でもよいでしょうし、飲み方と肴のアレンジは工夫次第です。

焼酎は、好みでいろいろと風味を楽しめるお酒です。
ブームになって入手しにくい銘酒や、価格の高騰なども起きていますが、一過性の流行りで焼酎を見てしまっては、もったいないと思います。こうした機会に、いままで飲んだことのないお酒に触れてみて、今宵の一献をさらに楽しいものにしたいですね。



次回は「競演する白ワイン」です。暑い日の夕方に白ワインの爽快感を、ぜひ。
     

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